XLRコネクタなのにアンバランスだったり、アンバランス接続すると発振したり、歪んだり、最大出力が+24dBu出ないなど、とてもプロ機器とは呼べない製品が目立つ今日この頃。
現在のほとんどに機器がトランスの代わりに電子回路によってバランス回路を構成しているわけですが、ちゃんとトランスをシミュレーションしていない 回路では上述のような問題が起きます。トランスの場合、バランス接続でもアンバランス接続でもレベルは変わりません。正しいバランス出力回路でも同様で、 コールドがアースされるとコールド出力をゼロにしてホットのレベルを6dB上げてくれるのでレベル変動がおきません。
しかし、単純にホットとコールドを逆相アンプで出力している回路ではコールドをアースすると、ホットだけの出力になるためレベルが6dB下がりま す。それどころかコールドのアンプをアースにショートしていることになるので歪んだり燃えたりします。パワーアンのBTL接続というのがバランス出力と同 じことで、片側をアースするとどうなるか簡単に想像できますよね。音に関しては逆相アンプ方式の方がいいのですが、外部機器を接続するコネクタがそのよう な仕様では問題です。
最大出力レベルが+10dBuなんてのも問題で、+4dBu基準だとマージンがたったの6dBしかありません。+24dBまで出力できれば20dB 確保できます。デジタルシステムの基準を+4dBuで-20dBFsとした場合、フルビットの0dBFsが+24dBuであればアナログと同様に20dB のマージーンということになります。